アフタヌーン2012年9月号ネタバレ感想

アフタヌーン9月号 無限の住人のネタバレ感想(完成版)です。
もう、本当に、ねえ、もう、ちょっと待って下さいよ本当に・・・本当に・・・(号泣)


無限の住人 第二百十四話「藍を抱く青」のネタバレ感想です。

・幼い姿のまま描かれる現在の天津と槇絵。先月号で、出会った時の気持ちを確かめあった二人が、その気持ちのまま見つめ合っている。
・見方によっては、どんなに強がってても結局二人とも思い出の中から抜け出せないまま年月を過ごしてきたという事なんでしょうかね。まああんなインパクト有りすぎな出会い方しちゃったら仕方ないのかもしれませんが。どんなに身体は大きくなっても成長していた訳ではないというか。前に進んで成長したのではなく、その場で足踏みしたまま成長してしまったというか。
・槇絵「影久〜覚えてる?あんた野犬に睨まれて涙目になっててさー私が助けてあげたんだよね〜ププー(笑)」
天津「ちょっとやめてよ槇絵姉さん!(汗)子供の頃の話じゃん!いつまで引っ張るんだよそのネタ!もう何回目だよ!(泣)」
槇絵「はいはい影久くんはもう大人だもんね〜(笑)」
こんな感じであの出会いを「過去の思い出の一つ」としてやり過ごせる二人だったら今のようにはならなかっただろうに・・・(こんなの天津&槇絵じゃねえだろ・汗)
・でもこの二人って多分本気で斬り合った事は無いだろうし、もしかしたら「揺籃の師」「自分の後を追って来る男の子」といった初対面のイメージにお互い捕らわれすぎているせいで天津は槇絵に敵わないと思いこんでるだけで、もしかしたら実力的に天津は既に槇絵を追い越していたというオチも有るのではと思うんですよ。 例えば二人とも記憶喪失になったりして情を挟まず全力で斬り合うとかすれば、天津は槇絵に勝てるかも知れない。
・名作漫画「動物のお医者さん」で描かれたエピソードの中に、非力な子犬の頃からラジカセに繋がれていた犬が、ラジカセぐらいいつでも引きずって走り回れるほどの大きな成犬になった後でも「ラジカセは動かせない物」という幼い頃のイメージから抜け出せず、いまだにラジカセに繋がれたら動けなくなる、という微笑ましい話がありましたが、この二人もそんな感じで。ラジカセ=槇絵 犬=天津という配役で。
・過去を思い出したからか、それとも死を前にして精神的に後退したのか、幼い口調になっている槇絵。今の槇絵の心は過去の「野犬50匹の荒野」に立っているのでしょうか。
・「焼き付けて・・・その目に」と言いつつ瞬間移動のような素早さで崖を登って天津の目の届かない場所に飛んでいく槇絵様。それは素でやってるんですか槇絵様。天然なんですか槇絵様。シリアスな笑いという奴ですか槇絵様。
・繰り広げられる槇絵無双。槇絵が「吐の元に戻さない為の足止め工作」をする気がなかったら、心兵・足江進・御岳はこんな感じで瞬殺されてたんだな・・・手加減してくれてありがとう槇絵様と言うべき所なのか・・・?(血涙)
・特に本気で戦ってる訳でもない槇絵相手に「三人いればとか、そういう女ではない」と絶望していた心兵はあの世で泣いていい。
・懸巣のほくろちゃんは諫早、かんざしちゃんは莵田という名前のようです。諫早のほくろは全ページで消えてますが。単行本で修正されるかな。
諫早は先月で趣味の悪いオジコン(英ファンの方すいません)と判明していきなりキャラが立ったのにあっという間に退場。個人的にこの子は私室をサンリオグッズで飾ってるイメージがあります。いつも怒ってるような顔(本当に怒ってる訳ではない)してるのにマイメロのエプロン着けてるとかそんな感じ。
・そして菟田。個人的に「うたたん」と呼びたい(どうでもいい)。たんぽぽ似のほんわかした外見ですが、 その内面は恐ろしくドライ且つ現実主義なんだと思う。そして自分の容姿がほんわかしているのを十分理解した上で計算する事が出来る子なんじゃなかろうかと思いますが、そんな見せ場もなく退場。
・菟田は槇絵に向かって拳を振り上げているから意外に格闘が得意なのかと思いましたが、よく見たら簪から暗器?を取り出して手に装着しているんですね。
・似てるからか、たんぽぽが斬られているように見えちゃってちょっと複雑な気分だ・・・
・恵那は槇絵に胸を突かれるも、春翁を掴んで槇絵の動きを止める。恵那個人が英個人に対してどんな感情を抱いていたのか判りませんが(先月号で英の言動に呆れてる描写はありますが)、英の部下の忍としてのプロ意識は物凄く高いのだろうなあと思います。
・刃物を引き抜こうと下駄ヒールで恵那を踏みつける槇絵。春翁の形状からして、恵那の身体を貫いた刃物を引き抜くのは不可能に近いですよね・・・引き抜くにしても身体を再び斬らなくてはいけないという(痛)。
・しかし懸巣は何故わざわざ有利な銃を捨てて刀で立ち向かっているのか。相手がこっちに到着する前にさっさと銃で撃った方が有効ではないのか。弾が勿体ないのか。モッタイナイ精神なのか。槇絵なら油断さえしなければ弾丸ぐらい避けそうですが。
・これといって活躍したシ一ンが無い上に退場直前まで名前すら判らなかった諫早&菟田。苗字しか判明してない逸刀流弟子ズ。彼らに比べたらフルネームが一応判明してて(本名じゃない人もいますが)それぞれに見せ場があった六鬼団てかなり優遇されてましたよね・・・よね・・・
・槇絵も流石に力尽きて倒れてしまいます。まだ、まだ死んでませんよね?気絶しただけですよね?
・そこに追いついて来た天津。「今度こそそれから目を離さない」と決意したのに結局何も見られなかったのか。天津の暗い顔は「ちょっと槇絵、焼き付けてって言いつつ速攻で立ち去らないで下さいよ追いつけないじゃないですか・・・なんかもう終わってるっぽいし・・・」という思いがにじみ出てるようだ。
・槇絵に寄り添う天津の姿を見て「くそ・・・ええなあ」と思う恵那。なんというかこう、社会的に成功して男をアゴで使うようなバリバリの高収入キャリアウーマンがふとした瞬間に平凡でも幸せな恋人同士とか家族の姿を見て羨ましく思ったりするという、そんな場面なんですかね。
・六鬼団が持ってた武器の名前もですが、懸巣が持っている武器の名前もいつか判明してくれますかね沙村先生。
・そのころの英。江戸に逃げ帰ろうとしたら目の前に凶が杖付いて現れて絶望!凶は病で弱ってる全裸の小娘に馬から蹴り落とされて腰を強打したようです。巨像と戦ってた方がまだマシじゃねえか・・・お前確か逸刀流だよな?(by卍)
・熱に浮かされる自分を見捨てる事無く馬に乗せてくれて、「生まれ変わったらまた会って下さい(意訳)」と逆プロポーズのような事を言った相手を遠慮なく走る馬から蹴り落とす燎タン・・・
・そしてその燎タンは吐達に囲まれて横たわっていました・・・え?!?!
・いや待て!気絶してるだけかも知れないし!もしかしたら燎は半眼で寝る癖があるだけかも知れないし!!あああああ!!
・でも吐が脈(体温?)を見てるし御岳も偽一も百も神妙な面持ちだし・・・燎は本当に退場してしまったの・・・?そりゃ無いよ・・・あの狂乱の姿が最期だなんて認めたく無いよ・・・!
・燎は六鬼団の他のメンバーや父親である吐の生き様死に様を目に焼き付けて生き残るという役割を負ったキャラクターだと思ってたんですよ。そりゃ高熱にうなされ全身に銃弾を浴びてるんだから死んでもおかしくはない状態ではありましたけど、それでも燎だけは生き残るのだと思ってたんですよ。それなのに今月号で横たわるその姿。そりゃ無いよ・・・
・凶との会話は「腹パンから始まるlove romance」的なラブフラグかと思ってたのに!「じゃあ生まれ変わったらでいいです」は死亡フラグだったのかよ!(泣)
・燎の左手の親指が千切られている事に気づく御岳と、その有り様に息を呑む偽一と百琳。自分の指を食いちぎって縄抜けしたのか(震)いや28巻の時点で既に左手の布に血が滲んでたし予想しようと思えば出来たのかも知れませんが、先に書いたように燎は「生き残る立ち位置のキャラ」だと思い込んでいたので、この先の人生や生活に支障をきたすような状態になる筈がないと、せめて指の関節を外す位だろうと決めつけていたのですよ。関節外したって血が滲む訳は無いという事は判っていたけど認めたくなくて無視してしまっていたのですよ(泣)「じゃあ生まれ変わったらでいいです」の台詞といい、この時点で燎は生き残る気はさらさら無かったのですね・・・
・指を食いちぎったという事は、関節を外す程度では解けないほどにキツく縛られていたという事なのだと思いますが、吐に気を使って「縄が緩かった」と伝える御岳。優しい嘘。
・でも吐は百琳の驚き方とか御岳の雰囲気で、決して縄が緩かったのが原因では無いと感じ取っていたのかも。それでも御岳の言葉を遮り真実を追究する事をしないのは、自分の為に嘘を付いた御岳の意思を尊重したからかも知れません。
・父親として燎の気質は判っている筈だし、例え事実を知ったとしても「あ〜・・・確かにウチの燎なら指くらい千切るだろうなー・・・」と納得したかも。
・燎についてはもうちょっと落ち着いて私の中で整理してから、30巻が発売した後に色々語りたいと思います・・・
・燎の亡骸を御岳達に頼み、天津を屠る為に歩き出す吐。家門、財、地位、名声、妻、子、目・・・全てを失い残す物が何も無い吐に残されたのはただ自分の命とプライドのみ。燎の死に対して冷静すぎる様子を見るに、もしかしたら人間性や情といった物すら削ぎ落としてしまったのでしょうか。言い方は悪いのですが、この不純物の無い研ぎすまされた刃物のようなギリギリの状態は、もしかしたら「武人としての吐」が追い求めていた物なのかも。
・どうやってたどり着いんだか判りませんが(笑)英、天津の元にいきなりたどり着いてる吐。英は凶によって木に縛りつけられたようです。天津は血まみれの槇絵をお姫様だっこしてますが・・・気絶してるだけだと言ってくれ(泣)でも天津と吐を対の存在とするなら、吐が愛する娘を失ったのと同じように天津も愛する女性を失ったという事に・・・?
・英を斬られますかという天津と、公儀として英は斬れないという吐。こんなになっても最期まで公儀第一なのか。
・燎だけが火薬の臭いに気づいたのは、英達より後に陸側から来たから。そういえば海から陸に向かって風が吹いてる筈だから風上にいる吐達が臭いに気づかなくても仕方ない状態だったんですね。燎は必死になるあまり、火薬の臭いなんか流れて来る筈の無い場所で「こんなに火薬の臭いをさせて」と騒いでいただけであって、吐達が充満する火薬の臭いに気づかないほど鈍いという訳では無かったと。
・英に対して刃を振り上げる天津。必死に助けを求めるも、「メンゴ!目が見えないからどうにもならないやテヘペロ☆」とスルーする吐様。
・自分が心血注いで歩んだ剣の道が、次世代の武器である銃の前ではただ無力だったという事実、燎の言葉をもっと真剣に聞いていれば槇絵を失う事も無かったという哀しみ、単純に勝負を邪魔されたという怒り、単に英個人がムカつく(笑)といった感情が込められているのかどうか判りませんが、木ごと英を両断する天津。英・・・面白いキャラだったのに・・・諫早限定でカッコいい認定されてたのに・・・
・そして吐VS天津、本当に最期の勝負の幕が上がる!両目を失ってどう見ても不利な状態で自分の方から勝負するぞと言い出してるのに「来い」と上から目線の吐様。
・ところで凶はどこ行ったのか。怖畔の出番は有るのか。主役とヒロインはどうしたのか。色々気になる所で続く!
・今月は燎の退場により、本当の本当の意味で「六鬼団全滅」となった一話と言えるのかも・・・。以前感想で「那珂湊に燎が来てもそれは六鬼団の到着ではなく吐の娘の到着になる」とか書いたのにこんな事を言うのも何ですが。
・いや!まだだ!まだ荒篠の腕が活躍してくれる!!