無限の住人最終巻感想

ついに・・・ついに最終巻が発売された無限の住人。個人的にですが、長く続いた作品の最終巻というのは何となく買うのを躊躇ってしまうのですよ。「最終巻を買ってしまったら、その作品が本当に終わってしまうような気がする」という単なるワガママでしかないし、買おうが買うまいが作品がすでに終了している事に変わりないのですが、何となく買うのが悲しいというか。そんな感傷で「蟲師」の最終巻を未だに購入出来ていないのですよ・・・蟲師大好きだし最後の話も読みたいんだけど買うのが辛い。無限の住人も買うのが辛い・・・

まあ六鬼団の武器紹介の為に速攻で買いにいきましたけど(鬼)

そんな訳で最終巻の感想です。細かい所は本誌感想の時点でほとんど書いてしまったので今回は妄想と感想の追加を中心に。
廃ビル5階は六鬼団の味方ですキリッ!!

・30巻の裏表紙は卍が川辺に埋めた武器の入った箱。「兵どもが夢の後」という事でしょうかね。「ウヌカラカンナスイ」が裏表紙になると勝手に思っていたのですが盛大に外れたぜ!
・そしてカバー裏の破壊力がハンパないおおおっ・・・!○年後の卍&布由とかうおおおっ・・・!二人が寝そべっている場所は中表紙(最終回が掲載されたアフタヌーンの表紙)で卍と凛がいた場所でしょうか。成長した布由を傍らに、小刀を見つめ遠い過去の凛に想いを馳せているように見える卍。今の卍は布由の顔で凛を思い出すのかな。
・布由はいつしか凛と同じように卍との別れを経験をするのだろうなあと思うとちょっと悲しい。「おばあさまのおばあさまも、きっとこんな気持ちだったんだ・・・」という感じで。
・もしかしてたんぽぽレベルか布由(何が)
・そして本編。心兵と足江進の遺体から始まる最終巻でございます。
・槇絵、吐、燎、天津、懸巣、英・・・物語を彩ったキャラクターが一気に退場していく怒濤の戦場。単行本でまとめて読むと喪失感が増すなあ。
・あの舌は結局槇絵自身のものなのか?
・凛が天津を刺したシーンを本編で読んだ時には「剣の実力も戦う力も無く(黄金蟲でプスプスやってたけど)斬り結ぶ事を卍に頼るしかなかった凛が、仇である天津だけは自らの手でトドメを刺した」と解釈し感動したのですが、先日久しぶりに1巻を読み返したら凛が(雑魚とはいえ)逸刀流と互角に渡り合ってた上にザックリ刺してて驚きましたわ・・・。
・六鬼団ブログとしては御岳の回想に出て来た六鬼団の最後の姿は見逃せないぜ!単行本化にあたって佩矢坊が描き加えられるかもと期待してたけどそんなことは無かったぜ!
・ちょっとづつ料理が上達している目黒。目黒に料理を教え込んでるのは辰ちゃんなんですかね?考えようによっては目黒が宗理の妻になる事をバックアップしているともとれる行動。辰としては「いつか自分がちゃんと嫁にいって父親が独りになった時、誰かが側にいてほしい(生活力なさすぎだから)」という、娘として父を心配する気持ちが有ったのかも。だから宗理にベタボレな目黒という存在は辰にとって「なんであんなオヤジに惚れてるんだ」と驚きつつも結構嬉しかったんじゃないかなーと都合よく妄想。辰と目黒は言いたい事をポンポン言って後に引きずらない気性の者同士で結構気が合いそうだ。
・そしてたんぽぽはきっとこれから作品が世に認められ、人気の絵師になっていくんだろうなあと思ったけどもしかしてこれってたんぽぽ行き遅れフラ・・・グ・・・?
・夷作と瞳阿。21巻で「阿蘭陀の船に乗せてもらおうかな」とか言ってたのに。でも二人にとって重要なのは「平穏に暮らす事」であって「阿蘭陀に行く事」では無いから別に島原を安住の地にしてもいいのか。オランダに行ったとしても夷作はロシア系だしな・・・
・怖畔ってもしかして「長く生きすぎて過去の思い出や記憶どころか言語能力まで失ってしまった不死者」とかじゃないのかとちょっと思った。
・旅に出る凛。完全に個人的な感想なんですが、旅立つ凛の着物は今までの炎柄から変えてほしかったです。あの炎の模様は「天津の事になると頭に血が上りやすい」凜の気性でもあり、また凛の復讐の気持ちそのものであったと思うのですよ。自らの手で決着をつけ逸刀流は壊滅し、卍と別れ、気持ちを新たに(実際はそうでも無いとしても)行脚の旅に出るのであれば、今までの復讐の炎を脱ぎ捨て違う柄の着物を着ていた方が単純にビジュアルとして解りやすいのではと。
・でも凜にとっては逸刀流遺族を訪ねる行脚まで含めて「炎をまとう復讐の旅」なのでしょうね。行脚を終えた時に初めて「自分と逸刀流の因縁を断ち切った」と新しい着物に袖を通す事が出来るのかも。
・しかし約20年間活躍してきたヒロインの作品最後の表情が泣き顔というのは辛いな・・・
・そして今回のメインイベント!六鬼団武器紹介!!ヒョオオーウ!!(奇声)掲載馴にいきます。

【心兵/アオナギ・ティンナギ】
通常形態がアオナギ、覚醒状態がティンナギだそうです。本編では空蛇と表記されてたのに何故ここではカタカナで書かれているのか。アオナギは単純に「青蛇」で良いのかな?空蛇にするとリーチは伸びても中身が空洞になり遠心力による打撃力が損なわれ殺傷能力が落ちるという欠点が有るならそれは覚醒とは言わないのではないかとちょっと思ったりしますが(汗)それでも相手が槇絵意外なら有効だったのかもな。

【足江進/ヴォーホルベルスフリッカー
物凄く格好良さげな響きをしているけど日本語に訳すと「カカシ」との事。やる気が有るのか無いのか解らないネーミングセンスの八宗足江進さん。しかし戦うための武器にこんな呑気な名前を付けるあたりに足江進の本来の性格が見え隠れしているような気がします。沙村先生自ら「中二ネーム」と言われていますが、オランダ人がオランダ語を使う分には別に中二とは言わない・・・技名叫んでたのはちょっと擁護できないレベルでアレですが。でも凛に続いて2人目の「必殺技叫び人間」という事は、足江進はメインヒロインと同じステータスを手に入れていたという事に!?でも中二とか言う前にあの回転のメカニズムを解説して下さいよ先生・・・

【叢咲/悪杖・雨甘露(あくじょう・うかんろ)&悪玉・叢咲海胆(あくぎょく・むらさきうに)】
皮膚を焼き肉を爛れさせる硫酸を撒き散らす刀に「雨甘露」という甘やかな名前を付ける叢咲の残酷さときたら。でも名前に使われてる甘露や海胆が叢咲の好物とかだったら萌えすぎる。やはりというか当然というか、使いこなすまでには何度も酸によって身体にダメージを負っていたようです。何故そこまでして酸を使うのか(汗)という事は叢咲の身体は酸のせいでけっこうボロボロなんですかね。
血を拭う拍子にうっかり指を溶かしたり、転んだ拍子にうっかり胸を大火傷したり・・・って・・・
うっかり転ぶ叢咲・・・!
うっかり火傷する叢咲・・・!
ちょっとドジっ子な叢咲・・・!
沙村先生は六鬼団ファンを萌え殺しにかかっているのかっ・・・!!

【伴/大那須挺(だいなすてぃ)】
中二というなら外国語に漢字を当てる伴の方がよっぽどry。合計11丁の銃はそれぞれ「大那須挺1号、2号」とかになるのでしょうか。大那須挺は幕府からの支給品としても、銃そのものは六鬼団に入る前から使っていると思ってます。そして伴の事はどちらかと言えば非力な人間だと思っていましたが当時の銃って多分結構重いですよね?それを両手に持つわマントの下に10丁ぶら下げるわ、ついでに弾丸と火薬も持ち歩くわ、意外に力持ちです伴。

【佩矢坊/二十拳之槍(はとつかのやり)】
とりあえず名前に槍と付いてるのになんで薙刀とか言ったんだ佩矢坊とツッこんでおきます。「最終章の冒頭で死んだキャラの武器なんて皆さんどうでもいい事とは思いますが」というコメントが有りますがいやいやいやそんな事はございません先生めっちゃ待ってました本当に。石突きの部分は足江進のカカシとおそろいで幕府からの支給品。言葉が通じていれば同じ槍使いとして会話が弾んでいたかもしれない。

【燎/太郎坊(たろうぼう)&僧上坊(そうじょうぼう)】
左右の刀を繋げ塀を乗り越えたり出来るという事はベースは忍者刀なんですかね(※適当言った)。他の六鬼団メンバーと同じく幕府からの支給品なのかも知れない(むしろ100%支給品だと思いますが)けど、燎の刀だけはあえて「父・吐鉤群から娘・燎に贈られた逸品」だと勝手に思ってます。左右を紐で繋がれたミトンの手袋的なちょっとした親心が詰まっているんだきっと。
意外にゴツい武器名はどちらも天狗の名前だそうですが、もしかして筑波山で伴に見せたあのブラック燎様状態の比喩でもあるのか?

【御岳/二つ畏刀(ふたつくまとう)】
このブーメランて複数あるんでしょうかね。もし御岳にブーメランを受け止められるだけの技量が有ったら戦局は変わっ・・・たかなあ?いつも御岳の元に戻る前に高確立で弾かれてるしなあ・・・。そしてブーメランを使った「1人切腹・1人介錯」は確かに見てみたい。

【荒篠/ワスボールド】
日本語訳が書かれていなかったのでどんな意味があるのか判らないのが残念すぎる。一振り約30キロ、両手で60キロの鉄の塊だけど余裕で振り回せます何故なら荒篠が船乗りだから。頭を割られ海に放り投げられても助かったのは船乗りだから。世界最強の職業、それは船乗りと船大工。卍も元同心じゃなく元船乗りだったらもっと楽に戦えたのに。
という冗談はともかく、単純な鉄の塊だからこそ小細工無しで威力を発揮する武器なのでしょう・・・ね・・・どうしよう他に書く事が無い(汗)名前の日本語訳が書かれてないのがホントに残念すぎますよ検索しようにもスペル判らないし・・・!

【卍/ウヌカラカンナスイ】
武器屋24時間の最後を飾るのはコレ以外無いという絶妙の配置。天津を刺したのも卍に残したのも瞳阿の所有物という事実は何か意味が有るのだろうか?特に無いのか?

目黒&たんぽぽの短刀とか懸巣の武器とかは紹介されていないので、特に銘の無い普通の刀だったのかなー。菟田の簪とか三瀦の折りたたみ刀とかはいかにも何かありそうな感じなのに残念。せめて付録があと2ページあればなあ・・・タイトと巨像とかやってる場合じゃなかったんや・・・!


これで無限の住人の感想を書くのは最後になってしまうのかと思うと心に虚無感が広がるのを感じます・・・(泣)
でも妄想はこれからもバンバン繰り広げますけどね!